美味しいドリップコーヒーの淹れ方

    一番美味しいコーヒーの淹れ方とは?

    コーヒーの淹れ方とネットで検索すると様々なカフェやロースターさんの記事が見つかり、どれが本当に美味しい淹れ方なのか分からないとなってしまったことはございませんか?私も最初の頃は情報が多すぎてよく分からないと思っていました。

    ただ少し立ち止まって考えてみるとそもそも美味しさは主観的な個人の嗜好を反映するもので人によって何を美味しいと感じるかは様々です。そのためおすすめされるコーヒーのレシピが各店で異なるのも当然なのかなとも考えています。

    コーヒーの美味しさにも様々な方向性がありますが手にしているコーヒー豆の品種、精製プロセス、焙煎の深さ等でそれぞれのコーヒーが持つ魅力は変わってきます。

    そのためこの方法で入れれば一番おいしく淹れられますといったレシピを探すよりも狙った味を引き出す方法を理解しコーヒー毎に淹れ方を変えることが美味しくコーヒーを淹れるコツだと考えています。

     

    味のバランス調整方法

    コーヒーの液体には様々な成分が溶け込んでおり複雑なアロマや味わいを楽しむことができます。
    特にコーヒーは酸味と苦味が主要な味わいであると考えられますがこのバランスを変えることで味を調節することができます。

    酸味は苦味よりも抽出される速度が速いため、まず酸味が出てきてから苦味成分が抽出される順番となります。この速度の差を利用し酸味と苦味のバランスを調節します。

    ハンドドリップでは大きく①挽豆の粒度、②お湯の温度、③抽出速度の3つでバランスの調整が可能です。

    ①挽豆の粒度
    粒度が細かい程、成分の移動距離が短くなるため、苦味成分が抽出されやすくなります。

    ②お湯の温度
    お湯の温度が高い程、成分の移動速度が速くなるため、苦み成分が出やすくなります。

    ③抽出速度
    抽出速度が長い程、成分の移動時間が稼げるため、苦み成分が出やすくなります。

    簡単に表としてまとめると以下のようになります。

    ◎味のバランス調整方法

    調整項目/バランス

    酸味が強くなる

    苦味が強くなる

    挽豆の粒度

    粗目

    細目

    お湯の温度

    低い

    高い

    抽出速度

    早い

    遅い

    おすすめのコーヒーの淹れ方 

    最後は個人の好みによるのは変わらないのですが、スペシャルティコーヒーの特徴の一つとして爽やかな明るい酸味特性が挙げられていることを考えると酸味を引き出す淹れ方は多くのスペシャルティコーヒーの魅力を引き出し美味しく飲むレシピにはなりうると考えられます。

    その上で個人的にお勧めなコーヒーの淹れ方を紹介します。

    【用意するもの】
     ・コーヒー粉13g(中挽き)
     ・お湯190ml
     ・抽出用ケトル
     ・ペーパーフィルター
     ・ドリッパー
     ・サーバー

    【淹れ方】

     ①ドリッパーに粉をセットし、90℃のお湯を用意する。沸騰させたお湯を一度サーバーに投入してサーバーを温めた後にケトルにお湯を入れなおすとちょうど90℃くらいになります。

     ②サーバーに雫が数滴落ちる程度までコーヒーの粉全体にまんべんなくお湯をかけた後30秒程そのまま蒸らします。

     ③「の」の字を書くように4分割してお湯を注ぎなるべく330秒以内に注ぎきります。泡の部分を落とし切らないうちにドリッパーをよけるとすっきりした味わいになります。


    まずはこの方法で一度飲んでみて、自分好みの酸味と苦味のバランスになるまで挽豆の粒度、お湯の温度、抽出速度を変化させて自分だけのベストポイントを探ってみてください。